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がんばるアグリスト

JA兵庫西管内の専業農家の方や生産組合を紹介するコーナーです。
生産者の方々をお訪ねし、農業についての思いを皆様にお届けします。


黒田 治夫さん  極々普通に淡々と。その中にいいもの作りが見えてきます
(更新日)2010年8月31日16時11分
 

 「おいしいと言って、一つ、二つとお客さんが買ってくれている」。生産者としての想いを描き、喜びのなかでピーマン作りに励む黒田さん。福崎町西冶、20aある畑の中で2aに130本を露地栽培で。収穫期になると毎日、地元の旬彩蔵に出荷しています。朝夕にほ場を見回り、生長していく様子を肌で感じ、先々を考えながらの作業を。「少量でも品質優先」とより丁寧に。店に並べる袋には「福崎特産ピーマン・福崎園芸組合」のシールが貼られ、園芸組合が選んだ「グリーン800号」、濃緑で色・艶がよく、露地に最適といわれる品種を栽培しています。
 黒田さんがピーマンなどの野菜を本格的に作り始めたのは地元に直売施設『旬彩蔵・福崎』ができたのがきっかけで、仲間と生産への気持ちを高めあいながら5年になります。会社勤めのころはお父さんが専業的にピーマン作りをする農業環境にありましたが、黒田さん自身は野菜作りへの関心はなく、定年後もご夫婦で家庭菜園を楽しむ程度でした。野菜作りのノウハウは先輩農家に聞いたり、各研修会に参加したり手探りの状態でしたが、作る喜びの中で、品質の良いもの作りへの関心が年を追うごとに膨らみました。対面販売で直接声が聞けるのとは異なり、売れていることが評価の基準になり、日々、強い意識をもってのもの作りになります。「良いもの作りを目ざすことには変わりないんやけど、お客さんの評価を直に聞きたい」。
 野菜の作付け計画は年末に行い、野菜ごとの仕事配分を。栽培技術について特別変わった方法はなく、減農薬と有機肥料を主にした栽培方法を。露地でごく自然な形で旬の野菜を根気よく丁寧に。「愛情を注げばその分、応えてくれる。野菜の良し悪しはどれだけ関わっているかの度合い」。「いいもの作って、喜んでもらいたい」。淡々と進める作業の中に秘めた情熱が見えてきます。



木村 昌照さん・弥栄美さん  一つでも多くおいしいといってもらえる「上郡のナイルメロン」を
(更新日)2010年8月4日18時12分
 

 平成元年、上郡の特産品にと始まったナイルメロンの栽培。「美味しくて、大きなメロン。いいもの作って食べてもらいたい」。木村さんのメロン作りは地域で盛り上がった当時からで、お父さんに付き、勤めを持ちながら手伝う形でそのノウハウを。今は奥さんとハウスの一部3aに400本(1本に2個仕立て)を栽培しています。
 木村さんはハウスのない時代に竹を割って骨組みを作った経験もあり手作りの施設で野菜作りの環境を整えるなど、熱い気持ちこだわりでトマトやナス作りも50年を。小さいときからこれらの農業に接し、その厳しさや喜びを重ねることで農業の持つ使命を感じてきました。木村さんが属する「上郡メロン部会」、当初は26あった生産農家も今年の栽培は4農家の約8aで。この現状を、「自分ができるベストなものを作って大勢の消費者に応えること」とがんばっています。毎年栽培前には土壌分析をして、有機質肥料を主にメロン作りに適した土作りをし、連作障害を避けるため裏作でそれらを緩和する栽培作物の組み合わせも試行錯誤を重ねて。「果肉が厚く、さわやかな味のよい甘さがうりやけど、落下したり割れやすいところが弱点。水と温度管理が大切」「玉が1s程度のころからが病気や虫が付きやすので目が離せない」と細やかな管理を徹底しています。
 毎年待ち望んでくれているお馴染みさんも多く、「ひょうご安心ブランド」の認証を受けた部会員自慢のメロンが共同出荷され、ゆうパックで全国へ。「生産量が少なく、大勢に食べてもらいたいんやけど。断りをいれるときは寂しい」。これまで育ててきた「上郡のナイルメロン」を思い、生産農家が1つ増え、2つ増えることを望み、声かけもして。奥さんは「何でも一生懸命に粘り強く、誠実に向かい合う姿勢が良いところ」とご主人を見て。「一個でも多くおいしいといってもらえるものを作ることやね」。



内海 信昭さん  安全で安心の取り組み 「おいしいと言ってもらえる野菜を」
(更新日)2010年7月3日10時6分
 

「農薬はできるだけ使わない、肥料は堆肥や ぼかし で」「お客さんからおいしかったと言ってもらえるものを」。たつの市揖西町、山々が交差する谷あいの集落で70aのほ場を使い四季折々の野菜を作る内海さん。これらの野菜はJAの『旬彩蔵』や大型量販店の農家コーナーなどに出荷しています。就農してまる3年、定番の野菜のほか、色んな種類の野菜を試しながら新しくメインになるものを手探りで。一種類の野菜でも4、5と多品種栽培を重ねます。
 内海さんは大学も農学部と一見、農業へのレールが敷かれていたように思えますが、就農するまでの10余年は他業種の仕事を経験、生活を見直す中で、「同じ苦労なら自分の責任でものごとが運ぶこの仕事に」と。小学生のころからトラクターを運転するなど、この時期にはこの仕事があり、家族といっしょに農作業をするのはあたりまえとの思いで過ごしてきたため、「野菜を作ってみないか」の話にはわだかまりもなくスムーズに専業に入れたといいます。しかし、知識や経験のほとんどない状態で始めたとなると、行き詰ることも多く、本を片手に先輩農家の話を聞きまわり、勉強しながら栽培する状況が続きました。
 内海さんの栽培理念となる無農薬に近づける作業として害虫から守る防護ネットの使用、特定の病気を防ぎ虫が嫌うコンパニオンプランツの併植。そして肥料は米ぬか・魚粉・油粕・カキガラ石灰を混ぜて発酵させる ぼかしや堆肥を主に使う栽培方法を徹底して。良いということを積極的に取り入れ、一つのことにも多くを想定した取り組みをしています。「水はけの悪い田んぼから始めたので土壌改良を繰り返し、畑の土に作りあげる作業も一歩一歩、あせらず地道に努力していくしかない」。「お客さんに安全でおいしいものを食べてもらいたい」。この気持ちを大切に、一つひとつ試しながらの栽培が続きます。



太市筍組合  “味のよい太市産” 品質は生産者一人ひとりの強い気持ちで
(更新日)2010年6月5日9時30分
 

 太市地区は山に囲まれ、その山すそには整備された美しい竹林が広がっています。「太市の筍は土に埋まっている状態のものを掘り起こすので、軟らかくて味は絶品」。その歴史は160年ほど前にさかのぼり、嘉永年間にはすでに知られていたといわれています。ここには筍生産農家からなる「太市筍組合」(玉田弘芳組合長)があり、昨年より農事組合法人として組織を新たに、今年2月には加工場を新築して。現在260人の組合員が約53haの竹林で姫路特産「太市のたけのこ」を生産しています。
 近年の農産物地元産志向の高まりもあり、毎年3月下旬から出荷が始まる朝掘り筍は、旬を楽しむ大勢の消費者から注目され、各地からも数多く注文が入ります。昔から味で知られる太市産。品質のよい筍を育てるには日ごろからの竹林づくりが不可欠で、「親竹の更新。肥料もやけど土入れが品質にはもっと必要。大変な労力になるけど」。各農家がこれらを保つことで伝統の味を守っています。勾配のある竹林での諸作業、土の亀裂を見つけ一つひとつ長トンガで掘り起こす収穫作業などすべてが手間のかかる手作業のため重労働となり、この労働に携わる生産者の高齢化、そして被害が拡大する猪・鹿害をうけ、若い人への後継や作業の省力化など早急の改善課題を抱えています。
 厳しさのある生産現場での状況、その中で「おいしい太市の筍を大勢に食べてもらうのが喜び」。生産者一人ひとりの強い気持ちが地域農業の活性に繋げています。収穫時には各農家から朝掘りされた形のよい筍が続々と加工場に持ち込まれます。「一本一本が商品であることを徹底して」。品質・鮮度にこだわる消費者に応え、地域が一体となり育ててきた伝統の味。旬には朝掘りの新鮮さをその日のうちに、そして缶詰加工では年中食べられるようにと。毎年4月下旬には「太市たけのこ祭り」があり、地元あげて特産をアピールします。



浅田 皓男さん・弘子さん  イチゴ作り一筋50年 一粒ひと粒に気持ちを込めて
(更新日)2010年5月22日10時2分
 

 近くの農家が露地で採れたイチゴを持ち寄り、まとめて出荷していた」「露地では収穫も限られていたので、周りでは誰もやっていなかったハウス栽培を始めた。昭和45年当時は『畑の宝石』といわれたクリスマス用のイチゴ作りでは四国からの見学者も多くあった」とふり返る浅田さんはイチゴを作り続けて50年、奥さんと2人で歩んできました。多いときには25aほどを。今では仕事量を考え品種『さちのか』5a、3500株を土耕栽培し、収穫期には週1〜2回市場に出荷しています。
 「朝ハウスに来て、イチゴの顔を見るのが楽しみ。見ればどういう状態なのか分かるので目を離すことができない」年を老いてもイチゴへの想いは不変で頑固なまでにも。一株に何粒結果させるか、粒の大きさを考え小さな花は一つひとつ摘花するなどどの作業も気を抜くことはなく、「こんななまっちょろい作り方で」と言われないよう常に人に見せられるイチゴ作りをしています。先々まで続く作業スケジュールを健康に繋げ、「初めから終わりまで自分でやらなくては気がすまない。この仕事が性にあっている」と、2人でできる仕事を淡々と。一粒ひと粒に気持ちを込めた作業を続けます。
 失敗したと思っても全力で対処して最終的にならすのが技術。最後まであきらめないことが信条。遠方から「前に食べたあのイチゴが欲しい」とやってくるお客さんがいることを支えに、市場出荷ではイチゴの向こうのお客さんを意識していいものを作って信用を。少しでも気を抜けばあっという間に落ちてしまう信用を何十年ものあいだ持ち続ける技術と経験、そして人間力。平成2年には地域のイチゴ作りに貢献したということで県知事表彰も受けました。イチゴ作りは自分一代の仕事と決め、持てる力を結集して、「一人がなんぼがんばってもしれたこと、夫婦が力を合わせてきたので」。大勢に喜んでもらえるイチゴを二人三脚で作っています。


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